バイオリン弾き小夜子さん・3/3


 Youtube・おしごと日本チャンネルでのバイオリン弾き・小夜子さんへのインタビューからの文字起こし、2/3からの続き、今回がラストです。

 ホストの伴が雑談人間なのでどんどんお話が逸れておりますが、そここそが本筋!

というわけで本編

伴:僕らが個人個人でできることは、面白いと思ったものは遠慮なく、これ面白いぞって言う必要があるだろうし、つまらないものはつまらないって言う必要があるんですよ。個人の主観でいいいから。一生懸命褒める。

小夜子:それはありますね。すごい予算かかってるであろう舞台見に行ったら、MIDI音源流れてて…てなることはあります。

伴:MIDI…ミュージカル・インストゥルメント・デジタル・インターフェースだっけ。

小夜子:略までは覚えてないや。

伴:僕も覚えてないですけど…MIDIって一発で通じる人しかいないからあれだけど、MIDIってなんて言ったらいいんだろ。トリガーで…シンセサイザーを鳴らす…

小夜子:音源…パソコンの中で完結する、デスクトップミュージック…

伴:まず生演奏じゃない…打ち込みみたいなやつだね。生演奏じゃないっていう、それのトリガーとしてMIDIっていうのが使われてまして…

 懐かしいな、MIDI。ヤマハの小っちゃいシーケンサーでドラムの打ち込みとかやってましたよ、昔。

小夜子:いいんですよ。そう言うのでしかできない音楽って確かにあると思うんで、ダンスミュージックとか、そう言うのありきで、生演奏だとあの感じは出ないし。いいんですけど…

伴:初めてカラオケに行った時の衝撃、みたいな。なにこのペター、ペター、シャーみたいな。

小夜子:音、やっす!みたいな。

伴:MIDI音源も良くなったとはいえ、まだ辛いですよね、やっぱり。

小夜子:もう使い方によりますけど、わかんないように使ってるのもあるし、そこは最低限さぁ…みたいなのはある。

伴:ライブハウス行ったらスピーカーがベリンガーみたいな、そういう…
 これ見てる人は3%くらいの人がめっちゃ笑ってると思うんですけど。

小夜子:せめてトップノートとかそういう目立つところとか、一曲目の導入とかだけでも。

伴:よく言いますよね、トップノートだけ生で弾いてもらうの。

小夜子:それだけでもやってくれたら全然印象違うのに。て思って、でもTwitterに書いたら、私はわからないかもしれないっていう意見もあって。

伴:興味なくて聞き流してるんだろうね。

小夜子:その程度のものなのかな、普通の人にとって音ってって、その辺はもやもやはしますけどね。書いちゃいましたけどね、公演のアンケートに。

伴:僕、おじさんなんで、そう言う案件を大体20年以上くらい繰り返してきてるんですよ。僕が得た解答は、気にならないっていうか、例えば僕らが生きてて、いい服の生地かいい手すりの素材とかって別に専門家じゃないから一個一個気になんないんだけど、そういうところで一個一個のコストを「いいよいいよ、わかんねぇわかんねぇ」って下げていくと貧乏な社会ができてくると思うんですよ。だから、直接気づく人が少ないんだけど、質が高い(ものが本当は望ましい)。

小夜子:感動が薄く感じるとかね。

伴:トータルでね。

小夜子:そこまで心が動かない感じがする、くらいには感じるのかもしれないですね。

伴:無駄なコストって意外と大事だなって最近つくづく思うことで。

 写真もね、いろんな要素の積み重ねなんですよ。それの要所要所で手を抜いていくと、やっぱりトータルでの到達点がちょっと違ってくる…ほんのちょっとなんですよ。時速280kmか時速282kmかみたいなそういう違いなんだけど、その2kmの違いに命をかけないと、芸事をやってる人間というのはダメなんだろうなって。
 社会全体で「素人にわかんねぇからよ」ってどんどん手を抜いていくと…僕らも気づいてないことはいっぱいあると思うんですよ、専門のジャンルじゃないから。

小夜子:そうですよね。私は音楽が一応専門だから、そこをケチったらすぐわかるけど…音楽専門じゃない人はわかんない。

伴:ほら、車の乗り心地とか。

小夜子:全然わかんないです。

伴:でしょ。専門家の人は、サスが安いのに替わったとか、タイヤが安いのに替わったとか一発でわかるらしいんですよ。

小夜子:まったくわかんないです。

伴:そういうものの組み合わせで、でもなんとなく、無意識のうちに…

小夜子:でも、この車すごいいい感じ、みたいなのはあったことはあります

伴:高い車っていいじゃないですか。正しい選択の積み重ねが高い車なんで、乗ってドンってドア閉めた時点で、なんか気持ちがいいって。芸事にも通じるとこがあって。
 ミュージシャンがいいギャラをもらうとかも結構大事だと思いますよ。

小夜子:いいギャラもらえないから、必然的に練習時間を削って数をこなさなければいけなくなり…
 そうすると、アウトプットから得られるものも確かにあるけど、インプットをしないと進化できない部分もあって、そうなるとアウトプットアウトプットで終わってしまう…

伴:ライターさんが専門ジャンルを見つけてちゃんと売れ出すと、インプットの時間なくなるから、インプットを暇な時期に、貧乏な時期にしたやつを吐き出し終わるまではずーっといけるんだけど、ある日ぱたっと書けなくなるってよく言われてて。
 それが終わった時に、あ、ダメだって言ってどっさり本を買ってきて、仕事の量を減らしてインプットの時期を作れるならいいんだけど、今はギャラが安くてそんなことをやっていられないから、シャーシャーのカスカスのままいくしかない。で、やっぱりネット上を見てると、どこかから引っ張ってきただけのスカスカな記事が多いんですよね。

小夜子:それはそう思う。

伴:写真を撮っていてもそういうことが起きてるんだろうなと思うんですね。インプットしなきゃなと思いつつ、撮るばっかりになってるんですけど。

小夜子:私も、幸いにして会社辞めて、割と演奏の仕事たくさんいただいていたので、本当アウトプットで終わってしまったなっていうのは印象としてあって。インプットしなきゃなって、アウトプットだけじゃなくて。

 アウトプットで得られるものももちろんすごくあって、インプットでは全然得られないものだから、それはそれで大事なんだけど、それだけじゃダメなんだなって、この3年5年を振り返って思います。

伴:それには時間が必要で、時間を買うにはお金が必要で。ていうことはその業界でちゃんとお金が回ってる必要があるんですよね。
 僕、今の暮らしになってからあまり働いてないんですけど、インプットの時間が取れるので。

小夜子:それはいいですね。

伴:たぶんあとで効果が出てくるんだろうなと思って、ちょいちょい本を読んだりなんだかんだ…本読んでなかったんで、10年近く。ほぼ気持ちの問題なんですけどね。あと無駄にゲームしてゾンビ殺したりするの、これはこれでこういうのないとダメだなって、逆に。遊びがないとダメですよ。

小夜子:それは思います。

伴:おじさんになってもそう思うくらいだから、若い方はもっとバリバリ遊んだほうがいいですよ。ということは仕事でちゃんとお金を貰ってないといけないんで、仕事でお金をもらうということは業界にお金が回っているということなんで、そこにはちゃんと統制が効いて、いいものはいい、よくないものはよくない、と言う誰かが必要で。多分俺はそれは評論の仕事だと思う、評論家というか批評家というかね。日本は評論がないと言われてますけど。

小夜子:ないですね、確かに。

伴:ミュージシャン側も、別にその人が言ったから全部正しいというわけじゃないんだけど。一個の指針がないと辛いですよね、たぶん。

小夜子:海外みたいに免許制とかがあればね、まだ多少あるんでしょうけど…
 海外だと国によってあるらしいじゃないですか。

伴:共産圏とかですか。

小夜子:ドイツとか…どこかヨーロッパの国とかだと、音楽の仕事をやるために、というのがあるらしい…

伴:あるんだ!

小夜子:人伝に聞いた話なんで、もしかしたら間違ってるかもしれないけど。そういうのがあれば保てるのかもしれないですね。

伴:技術水準は保てますよね。

小夜子:でも技術だけじゃないからなぁ。

伴:まず技術を。一定水準ですよね。

小夜子:最低限あった上で、そこから…

伴:演劇とかも見てると、まずクリアしてくれよっていう。クリアしてから初めて、味とか内容とか、本とかの話になっていくと思うから、見てるとまずハードルを超えてくれないと。俺は2時間これを耐えるのかあっていうのがね。

小夜子:たまにある。

伴:あるでしょ。劇場の椅子のここをクって持ってしまう、ククって。辛い、帰りたい。

小夜子:ありますけど…そうなったらそこのはもう行かない、次からは。

伴:その分のお金は、お金と時間は払ってあげちゃうんですね、優しい。

小夜子:払ってますね。

伴:アメリカ人ってもっと正直じゃないですか。

小夜子:ほんとにつまんなかったら帰りますけどね。

伴:リベートコールが出てるじゃないですか、映画とかで。
 金返せコールが出るんですよ、映画とかでつまんないと。アメリカ人、映画に命かけてますからね。そういう厳しい側もないと、何事も発展しないんじゃないかなと。
 でもね、日本で見に行って、どうでしたって聞かれて正直な感想を言うとめっちゃ嫌われるんで。つまんなかったよって言うと嫌われるんですよ。
「身内の良かった祭りを見してもらっても俺も困っちゃってさ、俺身内じゃないから」とか言うと。

小夜子:良かった点悪かった点どっちも、自分も同じようにそういう仕事をしてるので、どっちも参考になるかなって。

伴:それは確かにね。

小夜子:悪かった点も、それはやらないようにしようって。良かった点がゼロってことはないし。

伴:良かった探しをすれば。

小夜子:良かった点悪かった点、両方みて、お金に値したかっていうのはありますけど…

伴:まずそこでしょ。そこをクリアしてもらわないと困る

小夜子:確かに…

伴:それくらいお金を取るのってシビアだから、逆に劇団とかバンドとか、写真もそうですけど、写真も写真展でお金とっちゃったら楽しませないといけないから、それは恐ろしいですよ、やっぱり。

小夜子:それはそうですね。自分も、人の企画に乗っけてもらうときにはとりあえずいい演奏するってことだけですけど。もちろん全部がよかったらそれはいいんだけど、私が口出しできる立場にないから。

伴:ディレクターじゃないから。

小夜子:そう、そこまではその曲をよくしようってことだけだけど、自分の主催のライブ自分のCDってなったりすると…

伴:怖い。

小夜子:内容は毎回すごく考えますね。自分のリーダーライブってなると。

伴:劇団とかも見にいくとチケット代が例えば3800円。伴さん来てって言われて、これお前映画の2倍楽しいのかって聞くんですよ。
 自信ある? 自信あるならお金払っていくけど、ハリウッドの大作の2倍楽しい自信あるの? ほんとに? ってわざと聞くの。
 自信あるって言うなら「ああわかった」って見にいくんだけど、そこを押し切ったやつにまだ会ったことないんです。

 と言うことは自信がないわけじゃないですか。だって、生で目の前に出てきて日本語同士でやってて、色々できることはあるだろうから、自信持ってきてくれれば、俺も「あ、わかった」って行けるんだけど。

小夜子:映画はもちろん完成度は高いけど、何回見ても同じだし、何か変わっていくわけでもないから、生だからこそできる楽しさとか、家のCDはコールアンドレスポンスもしてくれないし。

伴:イエーイって言っても返ってこないですからね。

小夜子:やっぱりそう意味では、CDは一番良いテイクを録っているから、完成度はCDの方がどんなに上手い奏者だって上だと思いますけど……必ず全部の演奏の中から一番良いやつを録ってるんだから。

伴:ライブ演奏ですらね。

小夜子:差し替えたりもするじゃないですか、ダメだった部分は。確かに完成度はCDが上って思うけどそれ以外の部分で、ライブでしかできない部分で楽しませていけたらなって思いますけね。

伴:ライブいいですよね。やっぱりライブがいい。なんて言うんだろう、しょぼくてもライブの方がいいって思うのはマジックですよね。

小夜子:私はしょぼくてもライブがいいと思っちゃう人なので。しょぼいってのも限度があるけど、その場で、目の前でやってて…生身の人間がやっているっていうのは自分にとってはすごく付加価値。

伴:そうですね、それ自体はそう思う。

 そんなところで、1時間過ぎたコールが宮内氏から出ましたけども。この話キリがないですね。

小夜子:キリがないですね、難しいですよね。

伴:僕、最終的に、音楽でも演劇でもみんなお金持ちになったほうがいいと思うんですよ。

小夜子:それはね。

伴:お金を得るためには水準を上げるしかないだろうなっていう、結構厳しめに取らざるを得ない部分があって。

 っていう感覚で見ると、いやもっとみんながんばろうやって思っちゃうんで。ぼくも写真を撮る側で跳ね返ってくえるですけどね。お前どんなすごいもん見せるんだって言われる側になっちゃうんで、怖! って思うんだけど。

 写真を撮る人間も豊かになるといいし、音楽をやってる人間もね、もちろん。いいものが見たいんですよ、僕は。いいものが見たいし、いいものが聞きたいし。
 てなると、やってる人たちが幸せになって、ちゃんと整理されたところでやってもらったほうが、いいものが出てくるだろうなと思うんで、そうするためにはまずお金が大事ですよね。

小夜子:いいものを作るためには予算もかかりますからね。

伴:いろんな意味でお金がかかる。あと、専業でやってもらったほうが大体良くなるんで。専業でやるためには当然お金がないと生きてけないんで、っていうことだと思うんですよ。

小夜子:日本ってそこに対して嫌がるお客さんいません?私、クラウドファンディングやったらすごい叩かれましたよ、最初。

伴:僕も乞食扱いされましたよ。ここのエアコン、2個あるんですけど、クラウドファンディングでやったんですよ。別にお金はあったんだけど、面白いから祭りだからおじさんたちのってよって…

小夜子:すごいエアコンついてますね!見たことないエアコンついてる…

伴:ここに来た人たちがあったまったり涼しい思いしたりする用なんで、ちょっといいやつをつけようかって。出っ張りがすごくて驚きました。

小夜子:確かに。厚みが普通のやつの3倍くらいある…

伴:可変ノズルがついてておじさんが喜ぶ、ガンダム世代の人が喜ぶ

小夜子:だから、自分のお金でやれとか、そんな人とか思わなかった、とか。あなたは私の何を知ってるんだろうってすごい思いますけど。

伴:そう言うでしょう。そういう人ってお金払わないんですよ、どのみち。

小夜子:そうですね。

伴:ただ黙って、ただで見守って情報受け取っているだけの人が…

小夜子:そうやって叩く…

伴:お金払いもしないのに、お金を取ろうとするなんてって。ツイッターでいた、僕も。

小夜子:YouTubeのコメントとかで色々書かれました。

伴:全然話し足りないんだけど…

 シンガーソングライターおじさんみたいに、楽器を演奏している女の子を応援したいおじさんって言うのがFacebookを中心に大量いるんですよ。
 そういうおじさんのところには、演奏家の若い女の人のプロフィール写真がバーって並んでるんです。フルート、バイオリン、オーボエ、バスーンとか並んでるんですよ。そういうのを見て、そういう人たちの対策も大変だろうなって思いながら、今日お話を伺ったんですよ。

小夜子:面識ある人以外は通してないです。

伴:SNSで?

小夜子:SNS。フォローしてもらうのはすごく歓迎だけど、そういう方って何をするかっていうと、この奏者の友達だからっていって、第三者の全然関係ない友達のところに申請をしにいったりするんですよ。

伴:いるいる、踏み台としてね。

小夜子:そうやってどんどんミュージシャン、女性ミュージシャンばっかりみたいな、友達の方がいるんですけど、それがすごく嫌で。

伴:ちょっとハイソな綺麗な女の子を揃えたいだけなんですよ、どう見ても。絶対に演奏は聞いてない。

小夜子:ライブにも来ないし…最低来てくださっていれば一応お客さんではあるので…お金を払って来てくれているってことは。
 でも来ない人が圧倒的に多いから、来ない人はさすがに通さないですね。そうやって私の信用を利用してどんどん、どんどんそうやって…

伴:踏み台に。スパムみたいですよね。

小夜子:利用されてるじゃないですか、そちらににも迷惑かかるし。最初は拒否する理由もないかなってFacebookで思ってたけど…そういうこともあるので、断ってますね、今は。

伴:絵とか彫刻とか写真とかやる人がギャラリーを借りて個展やると、おじさんが会いにくるんだって、そういう人が。女の子がやると。買わない場合が多いけれど、買われたら買われたですげー客ヅラするからちょっとめんどくさいって言うのはすごいよく聞くし…

 クラシックで演奏側をやってる女性の人が言ってたんだけど、全然音楽はわかんないんだけど、なんかCD買ってくれるからとりあえず支援になってるしって。

 僕もお金回って欲しいと思うんですよ、お金回って欲しいと思ってるんだけど、音楽聞こうやって話になってくるじゃないですか。

小夜子:聞いてない人いるのかなぁ。どうなんだろ、私のお客さんで聞いてない人…入り口は女性だったからかもしれないけど、来て、音楽聴いていない人はいないかな。

伴:よかったですね。

小夜子:最初はいたりしました、そう言う人。でも通さないし。

伴:コンサートでも?

小夜子:じゃなくFacebookで。日頃からそう言う人たちって、リプを返してくれたりとか、そういうことをしてくれている人のところに行くので、私はそれは止めたんですよね。

伴:それが目的ですからねどう見ても。

小夜子:止めたらそう言う人は来なくなって。

伴:正しい。

小夜子:ちゃんと聞いてくれる人は残っているので。

 もちろん演奏会に来て感想とかあげてくれたら、ありがとうございます! とか書きますけど。普通に嬉しいし。

伴:それは男女関係ないですからね。

小夜子:嬉しいんで反応しますけど、じゃなくて「おはようございます」とか「今日も綺麗ですね」とか。

伴:おはようございますおじさん!

小夜子:そういうのは、スルー…

伴:男女のFacebookで、おはようございますおじさんいっぱいいますよね。

 おじさんで見てる人いたら、意味もなく「おはようございます」っていろんな人のところに書きに行くのは、そういう仲間のところだけでやった方がいいよ。結構気持ち悪いよ、正直。

小夜子:あれはちょっとよくわからないですね。

伴:美人に挨拶をして、美人に挨拶を返されたいということなんだろうかっていう。

小夜子:誕生日で祝っていただけるのはすごくありがたいことだと思う反面、一度もお会いしたことがない方から、深夜とかに「誕生日おめでとうございます」みたいなのがメッセンジャーで5分おきとかにくるのは…

伴:5分おき!

小夜子:それはとっても辛いので…会ったこともないんだったら、止めた方がいいんじゃないかなって思う。タイムラインに書くぐらいは…

伴:DMくれるんだ? 夜中に。

小夜子:ほんとにあったんですよ。3年前かな、とりあえず来るもの拒まずの時に、お会いしたこともない方が結構Facebookの友達にたくさんいて、誕生日…Facebookの仕様で誕生日の人通知するっていうのあるじゃないですか。それを見て、送ってる方がいて…

伴:「おめでとうございます」「おめでとうございます」「おめでとうございます」

小夜子:嬉しいですよ。祝っていただけるのは大変ありがたいことと思いますけど、ただ仕事で使っていたりもするし、知らない方から5分おきに、日付が変わった時に来るのか知らないですけど、深夜の2時とか3時とかに、ポーンポーンピーンとか来るわけですよ。寝るし…知らないし…業務連絡がどんどんどんどん下のほうに押しやられてっちゃって、「おめでとうございます」みたいなのが来て仕事のやり取りを見落としちゃったりしたのもあって。
 なので、面識ある方、お付き合いある方はともかく、手当たり次第に送るのはやめてって。Facebookから通知が来たからとか。

伴:あるある。

小夜子:投稿にコメントしてくれるくらいだったらいいんですけど、メッセンジャーで送る…前の年はタイムラインに書かれたんですよ。タイムラインはタイムラインで告知で使っているので、誕生日おめでとうございます、がいっぱい来るのは…あまりにもね。困るわけじゃないですか、ライブの告知がこっちに行っちゃうと、誕生日おめでとうみたいなことになっちゃうから。

 それは困るから、タイムライン書けなくしたんですよ。そしたら翌年、メッセンジャーにばーっときて…

伴:どんだけ祝いたいんだって話ですよね。

小夜子:普段から応援してくださってる方だったらともかく、その時だけ来て、誰?みたいな…

伴:誰?みたいな感じなんですね。そんなに縁が遠い…

小夜子:っていう方が送ってくるんですよね。知ってる方ならいいんですよ、別に。普段から応援していただいて、ありがとうございますって感じもあるし、いいんだけど…知らない人にそうやって送ってくる人がFacebookって結構いるな、っていう感じがしますね。

 っていうのがあって、Facebookは普段からライブで応援してくださってる方と関係者以外の方はお断りにします、にしましたね。ちょっと仕事にならないんで、何十…100件くらいきて、見落としもしちゃうし、返信するのも大変だし、っていうのもありましたね。難しいですね。

伴:吉祥寺かどっかで刺された女性の方もいらっしゃいましたかね、シンガーソングライターやってて。

小夜子:共演したことあります、その方と…

伴:ほんとに! ひどいですね、あれも。

小夜子:私たち側にもきっと問題はあって、そう言うので反応…そういう「おはようございます」みたいな「今日も綺麗ですね」みたいなのに、反応してるからそういう対象として見られてしまう。

伴:一番いいのって、インスタグラムで海外の女性のセクシー系の人を見ていると、彼氏をガンガン出すっていう。一番簡単らしいですよ、あれが。

小夜子:なるほどね。

伴:演奏家として別にいいじゃないですかって思うけど。

小夜子:売り出し方によると思えば。一応、非日常なわけじゃないですか、ライブって。

伴:経営判断としてどうするかはもちろん、個別の判断ですけど。

小夜子:確かに、そういう方をお断りするためには一番いいでしょうね。

伴:一番簡単でしょ、たぶん。と思います。

小夜子:あんまり私はプライベートすぎる部分は出したくないって思ってて…生活感ありすぎる感じは。

伴:ジャージとか。

小夜子:出さないですね。理由があったとか、ジム行ってるので、ジムのプロモーションとかだったら着ますけど。

 そういうのだったら出しますけど、意味もなく出すのはあんまり好きじゃなから出さないですね、そういうプライベートな部分は。

 でも、そうしなきゃお客さんが来ないってこと自体も問題があるとは思いますけどね。

伴:根本的にそこが問題なんで、彼氏がいようが結婚してようが子ども産んでようが…女性だとしてね、女性って区切ったとしても、そんなのどうでもいいじゃんと思うほうなんで。

小夜子:別にそこを感じさせないように…それは関係ないから、知ってもらう必要もないと思うから別に書いてないですし。

 でもありました、前。友達とご飯に行ったんですよ。一般人の友達、顔出しで仕事をしてる友達じゃないので、料理の写真だけあげたんです。そしたら、現場の後だったんですよ、現場終わって、夜、普通にプライベートで友達とご飯食べに行ったら、その現場の人とあいつは付き合ってる、みたいなことを書かれたりして…それ、しかも付き合ってないんですけど。

伴:友達?

小夜子:普通に共演者だから、友達…

伴:女性?男性?

小夜子:男性の共演者の。

伴:男性の共演者なんですね。

小夜子:男性の共演者の人がいて、一緒にご飯行った友達も男友達…だけど、普通に友達…っていうのはありましたね。

伴:そんな、友達であろうがなかろうが…ほっときゃいいじゃんと思うのは、僕がおじさんだからですかね。僕は人生満たされてるんで、全然…遠い距離の女性に一生懸命そういうことするのは、よくないじゃないですか、単純に。本筋が進まないでしょ、音楽やろうよっていう話になるから。
 余計なことに気を使わない方がコストが安いじゃないですか。

小夜子:だから難しいなと思って。

伴:そんな風に、女性が音楽やるとこういう問題がいろいろ付き纏うんですよね。

小夜子:でも結果としていまは応援してくれる、いい感じで応援してくださる方が、ちゃんと音楽聴いてくださる方がほとんどなので。

伴:いいですね。ほとんど。

小夜子:ちゃんとクラウドファンディングも成功したら、叩かれなくなったし。

伴:よかったよかった。

小夜子:達成したら叩かれなくなりました。

伴:そういうもんなんですか。

小夜子:わかんないです。わかんないけど、最初、告知した後、一週間くらいは凄かったです。

 朝起きるとYouTubeの演奏動画の悪いっていう評価が10とか増えてて。私のコミュニティ、まだ900人弱くらしかいなくて、当時はそんなにもやってなかったから、500人とかしかいないコミュニティで、そんくらい一晩で悪い評価がついてたりして、え? っみたいな…

伴:僕はアマゾンウィッシュリストで誕生日の時に、僕にどうしても誕生日プレゼント送りたいおじさんがいて、いいよってリスト公開したの。それも関係ない人が一生懸命「よくないね」ボタンを押しにくるんですよ。

小夜子:いるいるいる。

伴:(Youtube動画で)ありがとうっていって、ありがとうこんなにもらってありがとうねっていうのを、プレゼントの箱を一個一個開けながら、何の写真の話もないんですよ。ありがとう、スヌーピーのマグカップ嬉しいとかって言ってるだけの動画なんだけど、それに一生懸命「よくないね」を付けにきて、ずっと(いいね/よくないねで)競っていってるのが面白かったですよ。

小夜子:それこそ宮原さんに撮ってもらったコメント動画、クラウドファンディングやるにあたってどういうことをしたいとか、そういうことを話した動画に、めちゃめちゃ悪い評価がつきました。どこが悪かったのか書いて欲しいんですけどね。そんなに批評するんなら、単純に悪評価じゃなくて、どこが悪かったのかなって。

伴:聞いてもしょうがないよ、そんなの。

小夜子:まあね。

伴:ごめんごめん。

小夜子:実際に応援してくれる人がいて達成したので、それだけですけど。

伴:応戦する人はちゃんといるんですよ。

そんなわけで、この後は、SNS残酷物語の話に繋がっていくと思います。終電まで続きます、これは。動画はいったんこの辺で終了しようと思います。
小夜子さん、あんまり関係ない話ばっかりになりましたけど、恐縮です。

小夜子:全然大丈夫です。

伴:でもミュージシャンの方が、仕事として音楽をどうやるかっていうのが聞けて、今日はよかったです。

小夜子:私そんな話しましたっけ。

伴:ご経歴から根掘り葉掘り。栄養学を修めたと言う話も。

小夜子:はい、そうですね。

伴:ありがとうございました。またお会いいたしましょう。

小夜子:ありがとうございます。


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