東京に住まう意味


 こんにちは。

 先日、YouTubeで「名古屋に引っ越すかもしんない」というお話をしまして、その時点では確度が心の中である程度あるものの、まだ確定的ではない思いつきに近いレベルの話だったのですが、あれこれ考えるうちに「まあ引っ越しちゃうのが良さそうだし、引っ越しても問題なさそうだし」というのでほぼ確定の方向で心が決まりつつあります。

 なぜこの記事を書いているかというと、先のYouTube動画を録ってからずっと愛知移住か~と常に心の片隅に置いてあれこれ考えていたこともあるのですが、今日Togetterに「田舎から東京に行った人たち、東京って楽しいですか?( -_・)?」というまとめがあるのを見つけて、たいへん興味深く読んだことが影響しています。

 当該まとめの中では、地元が辛かった感じの人がけっこう多いのかなあ、という感じがしたのと、なぜか京都出身者が2連続で東京と東京に住む人を銭ゲバと罵るのが面白く、また東京ライフを楽しいと肯定的に述べている方はその理由として、イベントや展示など、催しものが多くて情報、刺激に触れる機会が多いことを挙げられているようです。

わたしの東京

 私の東京に対する見方は、たしかに人がたくさん集まっているし、その割に人と人の距離感は遠く、それが楽に感じることもあれば楽に感じないこともあるし……という微妙な感じです。大阪に行くとそのへんの見知らぬ人と急に会話が成立したりして若い頃は驚いたものですが、実は東京でも会話したがっている人がたくさんいるんですよね。お互いに変な人と思われないように牽制しているだけというか他の人が不快にならないよう都会人のペルソナを被っているだけで、中身はだいたい普通の人間。シャイなだけです。

大都会・池袋。

 逆に田舎の人間関係がめんどくさいというのも同意するところで、先日実家に帰った際は、実家周辺を記録しておこうとカメラを持ってパチパチしていたら、近所のおばさんが初手から通報するぞレベルで声をかけてきて、しかも私が誰か分かるとしょうもないご近所の噂話を延々としてきて辟易しました。私の情報もどこかの諜報機関かというレベルで知っているので何故かと訪ねたら、何のことはない自分の親父が情報を垂れ流していたりなんかして。

 実家の周りが変に古く住宅が密集しているエリアというのも影響しているのでしょうが、私が子供だったころはちょっとかわいいお姉さん的だった近所の奥様が、まるで横溝正史の小説に出てくる田舎の口さがないおばさんそのもの! という感じになっていたのもショッキングでしたし、下手に自分と繋がりのある人が多い地域に住むとそういう目に遭うことも多いのだろうなと思います。

 そういう点から、引っ越し予定地は生まれ育った愛知県内とはいえ、実家から離れたエリアにしちゃおう、という選択が正しいように思えますし、そういう観点で下見をしていけばある程度めんどくささは回避できそうな気もします。古い住宅密集地は避けた方が良いでしょうね。もちろん良い人ばかりで上手く行っちゃう場合もあると思うのですが、あまりそういうところでギャンブルをしようとは思いません。

 また同時に、自分が引っ越して新たにその土地に住むことで、現地の役に立てるようなことがあればより良いよなあ、と考えると、紹介できるものがある観光地に近い方がベターなのかもしれません。少なくともYouTubeで紹介するくらいはできますよね。引っ越したらご近所からゴリゴリにスナップ先を開拓するに決まっていますし。

 これは写真を撮る人口が日本で一番多いであろう東京と比べると、自分が撮って写真を流せばそれが検索にヒットして、少なくとも写真を撮る人たちの間では地域のイメージになる可能性があり、楽しそうです。

写真的な面

 東京のみならず関東一円、あまりに土地の利用価値が高いため建物が古くなるとすぐさま取り壊して建て直してしまい、古いものを撮ることができません。東京の東側、下町エリアもオリンピックを機にどんどんなくなっちゃっていますからね。

 わたしも一人の地方出身者ですから、東京という土地、「東京」という響きにきらめきを感じていたこともありましたが、数年も住めば単なる「自宅周辺の土地」でしかなく、純粋にメリット・デメリットの天秤にかけて見る以外になくなります。特に仕事上どうかと考えると、必ずしも東京でなくても良いかなと感じています。

 被写体としての大都会東京は、撮ればそれらしい感じがするのは確かですし、ストリートスナップをやるのに人がたくさんいるのは都合が良いといえば都合が良いのですが、今さら森山大道ごっこがしたいわけでもなし、趣味程度にたしなむストリートスナップのために東京に住み続けることは私にとって非合理的という感じがします。

 片や愛知に住めば、そこから近畿地方に簡単に出かけることができますから、車で2~3時間以内のエリアに廃村、廃集落、古寺など古いものがいくらでもあります。東京エリアが100年単位なら、近畿は1000年単位ですからね。そちらのほうが現在の私にはキラキラして見えます。

  また海外取材を増やしていくことを考えると、国際空港に近いところに便利に住めるのも愛知県南部の利点です。条件としては良いことづくしなので、あとは実際に現地を見てみて「これは盲点だった!」ということがあるか、ないか。愛知県自体は生まれ育った故郷とはいえ、知多半島には遊びに行ったことしかありませんから、住環境としてどうなのかは分かりません。

 ありがたいことにYouTubeをやっているおかげで、このあたりはこうよ、と入れ知恵してくださる地元の方もいらっしゃり、全く無知な状態から移住チャレンジするよりは特に情報面で恵まれています。

拠点

 西東京にスタジオを構えてから3年だか4年だか経ちましたが、スタジオを持ったおかげでわかったことというのが沢山あり、次はそれを踏まえて物件探しから出来るので、より良いスタジオに出来そうです。

 西東京のスタジオを作ってから気づいたのは、たとえば「近くにホテルがないじゃん」みたいなことですね。せめて近所にビジネスホテルなんかがあれば、数日続けてのセミナーなんかも開催しやすくなるでしょうし、オンラインサロンの仲間たちが集まるのもより楽になるはずです。

 その延長で、知多半島にスタジオを作るのなら、車でちょっと出ればビーチで撮影が出来てしまうでしょうから、スタジオにシャワーがあればより幸せになれるなあ……だとか、機材の搬入搬出にやっぱり車がベタ付け出来るところがいいな、だとか。

 スタジオ内の理想的な配置や必要な間取りなんかもかなり明確になりました。

 現在のスタジオに入居するまでは、ほとんど教室としての利用に軽くブツ撮りをするくらいだろうと思っていたのですが、スタジオがあるおかげで意外なほど人物を撮るんですね。スタジオ内で撮るだけでなく、スタジオを拠点に近所で撮ったり、というのもモデルさんやヘアメイクさんが作業するスペースを提供できるのでやり易いんです。

 そういう発見をさせてもらった西東京スタジオと、この開設時にクラウドファンディングで支援頂いたおっさん写真道の皆さんに深く感謝しています。あと最大の特典として、やっぱり好きな時間に撮影が出来る環境があると、ライティングが上手くなりますね。私だけ得しちゃって良いんだろうか、というくらい。

 その反面、事務所としては下手に広いので冷暖房、とくに暖房の効きが悪く、冬はなかなかしんどかったもんですから、次はそのあたりもきちんと考えて物件を探そうと思います。

 YouTube越しに私の活動をご覧頂いている皆さんの中で、興味を持ちつつもまだスタジオに遊びに来られたことのない方が大勢いらっしゃると思いますので、ワークショップなど機会を捉えていただけたら幸いです。

 というわけで、また。


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