鉄を撮る/録音する


 こんばんは。

 コロナの野郎のおかげで国外に出られない間にグツグツと「あれもしたい……これもしたい……」と煮詰まっているおかげで、突然フィールドレコーディングに興味が出てきました。

 ここ最近、する仕事を組み替えつつまた新規事業といいますか、せっかくスタジオがあるのだからストックフォトでも再開するかなあ、とつらつら考えたりしておりまして、そちらはそちらで友人の協力もあり、テスト撮影の予定が既に入っているのですが、同時に「あちこちの土地の音を長尺で録ってきて作業用BGMにしたい……」という欲が湧いてきました。

 YouTubeなんかに行くと、音源のジャンルとしてはアンビエント、聴く側のジャンルとしてはリラクゼーション用という形で環境音を良い感じに録ったものが置いてあったりなんかします。
 私も作業用BGMとして環境音を録るのであればやることはほとんど同じなのですが、自分が気持ち良くなれる形で録音&編集しつつ、それを例えば30分くらいの単位でYouTubeに置いておいたら喜ぶ人も多いんでは……と思っています。最大の動機は「俺が欲しいから」です。

 その思いつきを周囲の友人たちに「どうかな?」と尋ねたところ、かなりの率で「欲しい!」と食い気味に即答する人がおりまして、これはリモートワーク時代なのもあり、作業用BGMというかバックグラウンドノイズ(=BGN)の需要がけっこう大きいんだろうなと思わされました。

 考えてみれば全く言語的でない、ノンヴァーバルもノンヴァーバルであり、写真よりもさらにローコンテクスト案件ですから、海外の人が日本の環境音を聞いて「おお日本らしい」と喜んだりすることもありそうですよね。国境を越えやすいコンテンツはやはり面白みを感じるので、ちょっくらやってみっか、という気になっています。コロナ下でもどんどん出来るのが楽しいところ。

フィールドレコーディング

 録音作業的にはフィールドレコーディングと呼ばれるジャンルに属するもので、もともと音楽をやっていて録音もかじっていた私からすれば、機材あれこれにはとりあえず馴染みがあるので手を出しやすい領域です。

 写真の技能と比べると録音技術はつたないものなのですが、とりあえずマイクとレコーダーをそこそこ良いものにしておけばスタートは切れます。いやZOOM H1nという1万円くらいで買えるレコーダーでも、使い方次第でこんなに、という動画をフィールドレコーディングのプロがYouTubeに投稿してくれていたりするんですよね。

 そうやって録音技術のことを考えていくと、録音機材だけ良くてもダメで、恐らくどこで録る、何を録る、どう録る、どう処理する……と、あらゆる点で少しずつ(ときには思い切り)違いが積み重なって、最終的な良い感じかそうでないかが決まって行くのだろうなと思います。

 それって写真と同じなんですよね。結局人間がやることだから似たようなもんだわな、という。

写真も録音も似たようなもんだなあ、とお友達に送ってもらった鉄を撮りながら思いました。

 とりあえず既に持っているZOOM F1を修理に出して、激烈に弱く世界中で折れまくっているリコールものの電池蓋の爪を交換してもらい、それに既に持っているXYH-6というマイクカプセルをくっつけて、そのへんの道路や川を録るところから始めようと思います。この組み合わせだけでも、かなりの音質で録れますからね。
 F1の電池蓋、パーツだけ送ってもらって自分で修理したかったんですが、ZOOMに問い合わせたところ入院でしか修理せずと丁寧に断られました。

 YouTubeにアップすることを考えると、著作権どうこうに配慮しなければならないので、録音機材の扱いだけではなく、どこでどう録る、の部分についてもノウハウの積み上げが必要そうですが、そのあたりも先行してYouTubeチャンネルをやっているからこそわかったことなので、人生損しないですね。

 海外に出られるようになったら、あちこちの国の色んな作業用バックグラウンドノイズをチャンネルに並べたいなあ……ハイレゾ版をVimeoで販売したら、稀に買いに来てくれる人もいることでしょう。そうそう売れるものではないと思いますけどね。とにかく楽しそう。夢が広がります。

 コロナのおかげで海外どころか国内の取材もままならない今、やれることをやって楽しんで行くのが何より大事と思います。

 というわけでまた。


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