石神井公園の髪家さんを訪問


 先日、ご紹介いただいて髪家さんという石神井公園駅すぐそばの美容院へ、おしごと撮影にお邪魔してきました。

https://beauty.hotpepper.jp/slnH000084984/

 わたくしカメラマン稼業をやっている間に美容院取材はけっこうな数やっておりまして、カメラとストロボを持って美容院にお邪魔すると、初めての場所なのに「久しぶりだなあ」という感じがしてきます。

取材風景。

 美容院取材の場合は、外観内観全景、セット面にスタイリストさんの写真に……と媒体で使う写真が一覧になったものを渡されるので、それに撮って撮影を進めていくのですが、今回は自分媒体の取材撮影なので、自分が記事で使いたい写真を撮らせてもらっています。

 オーナーでありスタイリストでもある荒井さんとは、事前にメールでやり取りをした後の初対面だったのですが、スルスルッと機材をセッティングして撮らせていただく流れに。

荒井さん近影

髪を扱うこと

 どんな仕事にも、冷静に考えてみると特殊な面というのはあるもので、髪のスペシャリストをしている荒井さんも見ようによっては特殊な仕事をされているんだなあ、という風に思います。

 写真は言い換えるとひたすら三次元を二次元化しているわけで、荒井さんの場合は毎日ひたすら髪の毛と向き合っている、ということになるんでしょうか。ひょっとすると本当は「いや実は髪の毛がどうこうの問題じゃないんだよね」という意外なお話が伺えるのかもしれませんが、新型コロナウイルスの緊急事態宣言下にお邪魔しているので、会話は控えめにしておりまして勝手な想像です。

 私みたいにずぼらな人間であれば、髪は伸びちゃうものであって、生えてくれと思うことはあっても伸びてくれと思うことはないのですが、荒井さんはお客さんの髪が伸びるからこそ、それを切ることを生業にされているわけで、そういう根本的なことから考えていくと世の中というのは上手く回っているものだなとよく思います。どんな仕事も求めがあるからそれに応じる形で存在するわけですが、逆に「どういう求めか」という部分だけ注視すると不思議に思えるものが多いんであります。

 今回も切られ役のモデルさんと実際に「どんな方向性て行く?」という相談をしながら、むしろ相談を受けながら髪を切る仕事を拝見しながら、事象として当たり前になっている「髪の毛をどうこうする」ことにもスペシャリストとして細かく細かく取り組んでいる人がいて職種があって、という点で強く感銘を受けていた次第であります。美容師さんは写真仕事と違ってきちんと資格がありますからね。気持ちや美的にどうこう以前に衛生面なんかで勉強することが山程あるというのは知人の美容師からよく聞いています。

 ちなみに髪家の荒井さんをご紹介いただいたのは印刷を生業にする方で、そちらはそちらで特殊ノウハウの塊なのでそのうちお話が伺いたいと思っているんですよね。

仕事特有の道具も魅力的な被写体のひとつ。

手技

 荒井さんの仕事の流れを横からパチパチ撮らせてもらっていて、面白いのは手を使う部分ですね。

 そりゃお客さんと接するのに手以外のパートを使うことはそうそうないでしょうが、実際に荒井さんに備わった2本の腕とその先についた手が髪の毛をあれこれして作業を進めていくのを見るのはクローズアップして撮っていても面白いんであります。

 コミュニケーションがあり、手技があり、お客さんが望むものと実際の結果と、また時間やお金の限界があり……みたいなことはどんな職業にもやっぱり共通。今回はそこまでみっちりお話を伺うことはできなかったのですが、このジャーナルブログでのおしごと取材撮影は、当初から考えていた通り「何が違うか」よりも「何が共通なのか」を確認する仕事になりそうだな、という思いを強くしました。

 つまり、ひとつの職種をとりあげて他との違いを強調する手法ももちろん面白いですし、そういう側面も勝手に記事に現れたりするのでしょうが、私の興味はどちらかというと「社会があり、そこに暮らす人達が求めるものがあり、それに応じて仕事がある」という仕事論の方であります。そういう点ではどんな仕事も仕事として成立する以上は共通している部分だと思うんですね。

 荒井さんのよどみない手仕事を拝見していると、この動作を何万回単位で繰り返されているんだろうな、と思いますし、また何万回の動作をさせるだけの求めが周囲からあったからこそ、こうしてお店が成り立っているわけで、いやはや社会というのは凄いもんだな、回ってんな、というのを荒井さんの手から感じました。

駅からすぐそば

 髪家さん、繰り返しますが西武池袋線の石神井公園駅からすぐです。徒歩1分は伊達じゃありません。

 皆さん石神井公園に写真を撮りに行く際にでも、予約をして髪を切ってもらいに行かれると良いんではないかと思います。きっと荒井さんが親切に相談に乗ってくださいます。

 というわけで取材にご協力いただいた髪家荒井さん、誠にありがとうございました! またコロナが明けたら、もっと詳細にお話を伺いたいと思っておりますので是非。


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