スナップのすゝめ


 こんにちは。毎日レンズ遊びをしている伴です。

 写真をやる前はまったく理解できなかった「スナップ」「レンズ遊び」「モノクロ」このあたり、カメラを買って写真を始めている人でも「意味わからん」と手を出さなかったりするのですが、やると楽しいんですね。

 明確な目的があり、「これを」「こういう風に」「撮らなければ」と決まっている人の場合は、目的外の写真を撮ったり、目的と関係なさそうなレンズを使ってみたりというところに興味を持ちにくいもののようです。

 面白いのは、機材に興味がない女子でも「古いフィルムみたいな写真が撮りたいって詳しい人に相談したら、オールドレンズっていうのを使うと良いって聞きました」つって古いマニュアルフォーカスのレンズを使っていたりすることです。

 野郎の場合はそのレンズがどこ製で何年製で、どういう位置づけかみたいのを気にしがちですが、それはレンズ道楽サイドのものの見方であって、「ああいうのを撮りたい」という目的からスタートしてそこ以外に興味が向かない人にとってみれば、「なんでもええから古い写りするやつ」という選び方になり、一つ手に入れたらもう要らない、ということになるらしいんですね。ある意味うらやましい。

スナップ

 スナップ写真を撮る、というのはどういう考え方かというと、目的に合わせて撮るのではなく、目の前に来たものを、自分の手に持っているカメラとレンズで「写真にする」という遊びです。

 ですから、先述のような「これを」「こういう風に」という仕様が決まっているわけではなく、むしろ自分で仕様を決めながら撮っていくところに面白みがあります。

 その中で、今日はこのレンズを使ってみよう、みたいに自分でちょっとした縛りを設けて遊んでいたりするんですね。そう聞くと高尚そうでしょ。

 まあスナップといっても、音楽のジャンルがボサノバの中でもめちゃくちゃ細分化されているみたいに、スナップの中であれこれジャンルがあるのですが、基本的には「来たものを撮る」「がっちり決めずに撮る」というのが基本と思います。

 先方に合わせて自分がどう変化して撮るか、というのもスナップの面白みじゃないでしょうか。

スナップで上達

 スナップもレンズ遊びもモノクロも、ちゃんと取り組むとすべて根本的に写真を撮る技能が向上するといいますか、スナップできなくて作品だけ撮っています、みたいな人で構図がちゃんと取れる人ってあまりいません。

 基本的には撮った量と構図力って比例する事が多く、特に他のジャンルで構図力を鍛えるトレーニングを受けていない人にとっては、構図をガンガン作る、回数を重ねるという意味でもスナップ撮りは非常に重要です。

 いきなり本番、本番というのを繰り返していると、決まった構図に被写体や風景を押し込めようとしてどこかが破綻することが多く、「受けて勝つ」というスナップの考え方を身に着けた方ていれば、先方がこうだからこっちがこう変化して、と、絵を破綻させずにいなす技が身につきます。

 また、スナップの醍醐味は一期一会であること。

雲も人も、二度と同じにならないんです。

一期一会

 その日、その時にしかない写真が撮れるという意味で、スナップ写真は瞬間のきらめきみたいなものを感じます。

 都合の良いところに人が通るまで待って待って待って撮るみたいな人もいますが、私はそこまで待てないというのと、待って撮った写真に自分自身がきらめきを感じないんですね。まるで山の中で猿を撮っているような写真になってしまってつまらないなと思います。

 風景やネイチャー、建築写真はけっこう待つ事が多いと思いますが、仕事もプライベートも、作品もスナップも含め、人物撮りで待って撮るということはしませんねえ。人間と人間の撮影なので、パッとぶつかりあってパッと散るのが華という感じがします。

 まあ仕事の場合、こなさなければならないカット数が多かったりするとなかなか時間を食うこともありますが、人物写真撮影をフォトセッションと呼ぶこともあるくらいなので、じとじと待つよりも、良い瞬間を重ねて行こうぜという方が良い結果を生み出しやすいように感じます。

 もちろん瞬間で撮るので、被写体サイドにも一定の期待をするわけですが、それも待ったところでいきなり良くなるわけじゃないですからね。

 そんな感じで、写真をやってみたいなと思っている方、また写真をやっているんだけどスナップってどんな感じ、と思っている方は、是非カメラを持って外に出てパチパチ撮ってみましょう。

 何を撮らなければならない、というのではなく、目についたものを撮り、「どうすれば写真らしくなるのか?」と考えるのが第一歩です。

 それではまた。


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