ノースウエスト特殊車両訪問記


 こんにちは。

 月がかわって11月になってしまったので先月のことになりますが、長野県にありますノースウエスト特殊車両という会社にカメラを携えてお邪魔してまいりました。

https://www.n-west.co.jp/

 きっかけは例のごとく、Youtubeでこのジャーナルブログについて言及した際に「取材させていただける個人、会社、団体なんかを募集しとります」と呼びかけたところ、このノースウエスト特殊車両さんの折野さんという方に声をかけていただきました。

 一度お邪魔する予定を立てていたのに、台風でこりゃまずいよということになり日延しまして、結局延期した日も雨! しかし台風と違いしとしと降るだけでしたので、西東京から長野への移動も事故渋滞で軽く時間がとられた以外はスムーズなものでありました。

どんな会社

 ノースウエスト特殊車両略してNWSは、サイトをご覧いただくと分かるとおり、とにかく特殊車両を作ったり輸入したり販売したり改造したり整備したりと、特殊車両を中心に活動されている会社でありまして、大きな工場に見たことのない変わった車がたくさん詰まった、男子からすると夢のような会社であります。

これが特殊でなくて何が特殊かレベルの特殊車両
イタリア製のゴミ収集マシンだとか。

 長野という土地柄、雪上車関連のお仕事が多いそうです。雪上車……あまりご縁がなかったのでどういう機構か知らなかったのですが、エンジン → 油圧でプーリーを動かし、それでキャタピラを駆動、ということだそうで。

 なんとなく巨大なミニ四駆を見ているような気持ちになってくるのですが、もしミニ四駆を人間スケールに拡大したとしたら、やはりパワー的にも重量的にも人命に危機を及ぼす可能性が高まるわけで、人の命を預かる仕事をされているんだなというのは重みとして感じるところです。

とりあえずでっかい。
油圧を各部に分配するブロックだそうです。金属の塊感。

 WEBサイトで見かける、ハイエースやなんかを雪上車に改造するパートも見せていただきました。

こういう車両に
キャタピラをくっつけるので
キャタピラが当たる部分をぶった切って
きれいに溶接します、というプロセス

 前回のフリーホイール片山さんのところへお邪魔した時にもつくづく思いましたが、「ないものは作ろう」「都合が悪いなら良いように改造」という発想が凄いですよね。

 私の場合は粛々とカメラメーカーの作ったものを物理の法則に従って使っているだけで、なんというかダイナミズムに欠けるような気すらしてきます。

実作業中。

折野さんと工場見学

 先程から写真にちらちらご登場いただいているのが、今回お声をかけていただいた折野さんです。

 あれこれ説明して頂いたり、実作業風景を撮らせていただいたりしながら、共通の趣味である写真のこともあれこれ伺うことができました。

 写真をやる折野さんならではの視点と思ったのが、「働く父ちゃんの姿を残しておきたい」というお話。

 私自身、父が働く姿というのはほとんど見たことがありませんで、毎日遅くに帰ってくるこのおっさんは誰だろう的な感覚に陥りがちなのが日本の家庭あるあるなんじゃないかと思うんですね。

 このジャーナルブログを作った理由の一つに、若い人たちに美化するでもなくリアルに働くおっさんの姿を見せることで、労働って人の役に立ててあんがい楽しい&気持ち良いということを伝えていきたいな、それで労働に対する忌避感を減らしていきたいなというものがあります。

 また社会全体に、労働と作業が一緒になっちゃってるなというのも常日頃感じるところでありまして、この2020年のコロナ禍のおかげで、高度に作業をこなせる中間層の人材が厚い日本、やばいぜ! 最高だぜ! と思う人がちょっとは増えたと思うのですが、その数をどんどん増やして行きたいなと思っているんです。

 私自身、アーティストでもなんでもなく、日々目の前の仕事を淡々とこなす人間でありまして、みんな真面目にやってるから社会が回るんだよ、というのを誇りをもって掲げたいんですね。折野さんにはそこをスパッと汲み取っていただけて嬉しかったんであります。

工場見学

 というようなことをお話しながら、目につくものをパチパチ撮らせてもらっていると、写真的には工場見学的な写真しか残っておりません。私としてはホクホクの撮影でした。

 金属! 工具!

 そして同僚のおやっさんが好きで整備している車両の数々!

 イギリス車MGも美しかったですが、ジープを初めてちゃんと拝見して、その機能美に驚かされました。機能美ってこういうことをいうんだなあ、と。

 片方が1940年代の本物軍用ジープ、片方がレプリカと解説していただきました。たしかに後からレプリカの方を見るとメーターが三菱だったりします。素人目には分からんもんです。

 戦争で負けている側からすると多少複雑な気持ちになったりもしますが、なるほど戦争に勝つってそういうことだよねえ、という風に不思議な感慨にひたったり。

 ノースウエスト特殊車両さんは他にも工場をお持ちで、面白い車両がたくさんあるとのことなので、また折を見て伺いたいと思っております。

 声をかけていただいた折野さん、ノースウエスト特殊車両の皆さん、なにより「好きに撮ってって!」と撮影を快く許していただいた社長、大変お世話になりました。

社長もお忙しいところ撮影に応じて頂きました。

募集しとります

 そんなわけでして、必ずしも工場であったり職人さんに限らず、当ジャーナルブログでは取材先をまだまだ募集しております。

 テーマは「お仕事」なので、業として何かをされている方でしたら大歓迎。写真を撮らせてください。

こんなん撮ったから見て、とタブレットで写真を探す折野さん

 それではまたお会いいたしましょう。


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