おしごとインタビュー・コスチュームプロデューサー・小林海優さん 1/3


 こんにちは。今回から3回にわたって、Youtube「おしごと日本」チャンネルで収録したコスチュームプロデューサー・小林海優(みゆ)さんのインタビューを文字起こししてお送りします。

 裏話として、おしごと日本チャンネル開始にあたり、まずは伴の既知の仲の人からインタビューを開始しよう、というので、一人目にお越しいただいたのが数年前からちょいちょいお会いしている海優ちゃんでありました。

 もう内容が信じられないくらいとっ散らからっておりまして、しかもすべて伴のせい。困ったもんです。

 ここに掲載の写真は、先日「こんどインタビューを文字起こしするから、それ用に撮らせてよ」というので撮影したものです。

 第2シーズンでは、インタビューする度にスチル写真も撮っておいた方が良さそうですね。

 ということで本編どうぞ。

本編

(1/3)

伴:どうもこんにちは、伴でございます。

今日はですね、新しいチャンネルを始めようと思ってまして、今回新しいチャンネルはインタビューをメインにやろうと思ってます。各界の職業人の方にお話を聞いて、その人の職業特有の職人的な部分を拾い上げて行けたらなという風に、思っているんですけども。

僕、普段カメラマンをやってまして、どっちかいうと最近教える方がメインなんですけども、そっちの方のチャンネルでいろんな人に会って、この海優(みゆ)ちゃんは学生の時分から存じ上げているんですけども、無事に社会人になりました。

小林:はい。無事になのか…どうなのか…

伴:身の上話をだいぶ聞かせてもらいましたけど。職業人になると、アルバイトの人なんかにもある、それぞれ特有の職人的な部分とか、お仕事論、システム論も聞きたいという風に思ってるんですけども。
 それをいろんな人に会って聞いていこう、ひとシーズン10人で聞こう、っていう風に思ってます。

今回はファーストシーズンの第1回目。

小林:はい。

伴:海が優しい、海優さんです。

小林:こんにちは。

伴:海優さん、自己紹介をお願いします。

小林:はい。なんて自己紹介すればいいですかね。

伴:どんな仕事をしてるの?

小林:衣装の仕事をしています。

伴:どこまで話せる?

小林:どこまで話せる…

伴:衣装さんの仕事っていうのがそもそも、我々ただのおじさんにはなかなかわかりづらいお仕事なので。

 領域的には舞台で出てくる人の衣装を面倒みてあげる仕事…

小林:そうです。裏に入ると、お母さんみたいな。お母さん的な仕事だなって思いますね。

伴:そう、昔から不思議だったんだけど、衣装さんって…現場によるか…ヘアメイクさんと衣装さん、両方いるの?

小林:両方いますね。

伴:衣装さんは衣装さんで、ずっと衣装周りのことをひたすら面倒みてる感じなの?

小林:そうですよ。顔と頭のことはもうメイクさん。トータルで(出演者が)何人もいると大変なことになりますよね。ひとりだったらまだあれですけど。

伴:それってやっぱり…ここは大人の人が見てると思うんで、予算というか具体的な金額の話でいいんだけど…予算規模によって、役者の舞台だったら、役者のひとりに対してひとり衣装さんがつくのか、それともアンサンブルだからお前ら30人にひとりの衣装さんとかって、やっぱそういうふうになってんだよね、きっと。

小林:担当…でも私が入っている現場の…そんな豪華な使い方はあんまりない気がする。

伴:てことは…何人に対して衣装さんてどれくらいなの?

小林:何人に対して…どのくらいなんですかね。その時によって違う気がします…あと着るもの?

伴:そうかそうか。作業量によって…そうか。今回は、小林幸子さんみたいなすごいことになってるから…みたいなこともあるのよね。

小林:ひとりで着れなかったらしょうがないじゃないですか。

伴:そうね、しょうがない。たぶんいろんなお仕事論でたくさん聞くだろうね「しょうがない」「無理なもんは無理」

小林:後ろファスナーとかね、難しかったりしちゃうじゃないですか。

伴:あとは出し物によって着脱の回数とか違うもんね。

小林:そうですよね、早さとか、タイム…

伴:演出上?

小林:この衣装からこの衣装になるのに「30秒しかないです!」て言われて、その30秒の中で、移動…着替え小屋へ移動して、また出ていく、上(かみ)なのか下(しも)なのか…移動時間も含めると、着替えられる時間って…20何秒くらい? みたいな。

伴:それはゲネとかの時に測ってやるの?

小林:「衣装付き通し」ですかね。

伴:衣装付き通しっていうのがあるの?

小林:リハーサルですよね。

伴:一番ビシッとしたリハーサル?

小林:そうです。一番ビシッとしたリハーサル。

伴:やらないと危ないよね。

小林:危ないですよ。

伴:そうなんだ。それ、ダメだってことになるの? たまに。

小林:どういうことですか?

伴:演出上20秒しか着替え時間がないんだけど、だれがどうやっても20秒、実際やったらちょっと無理だったとかっていうの、ない?

小林:ありますよ。

伴:あるんだ。

小林:このタイムだと難しいんじゃないかな、でもやってみないとわかんないですよねーみたいにやって、失敗して…じゃあどうしようかっていう話になる。

伴:やっぱダメだわ、と。演出側をいじくるか、なんとかするしかないんだろうけど…

小林:そうです。で、ここはハケなくす?みたいな、こっちからハケる?みたいな、そういうので対応してくださったり…

伴:動線を…

小林:動線だったり…をどうする? ってそういう話し合いをする、作戦の場でもあるのかなと思ってるんですけど。

伴:トラブルを洗い出しておかないと。

小林:はい。衣装付き通しやっちゃったら、次小屋入りで、場当たって…

伴:ちょっと待って。それって別の場所でやってんの?

小林:そうです。稽古場で。

伴:稽古、会場…そう、僕ね、カメラマンやってて舞台撮りもちょいちょいあるわけですよ。ゲネを撮ったり。舞台関係の…そんなめちゃくちゃやってないですよ、たまに誘われてというか呼ばれて行ってるだけなんだけど…

小林:メディア向けですか?

伴:そっち側はやってない。舞台をやる時に、お芝居をやる時に写真が必要なのって、パンフレット作ります、広告を宣伝用のポスターとかを作りますっていうのを撮るやつだよね、広告部門というか、商業撮影部門って。そういうのを撮るぶんには何も問題ないんだけど、舞台自体をとるっていう時に、今はシャッター音が…カメラマン業界だと、シャッター音が出ないカメラっていうのが出てきたの。本当に押してても何にも音がしない。

小林:設定で変えられるんですか?

伴:そうそうそう、設定で変えられるやつで。

小林:へぇ、すごい。

伴:サイレントシャッターって言うんんだけど、サイレントシャッターをやると色々と画質上フリッカーっていって、しましまが出たり色々問題があったんだけど、それも解決されたカメラがボチボチ出てきはじめて。
 さらにグローバルシャッターっていって、音が出ないんだけど、しましまも何にも出ない問題がないシャッターが搭載されたカメラも、ボチボチ出てくるはずなんだよ。

 でも結局芝居を撮影してくださいって言われて、芝居をしてるところを、衣装着ててちゃんと照明当たってて、ていうの撮る時は、大体ゲネなんだよね。本番を撮るってまず、ガチャガチャして邪魔くさいし、その席分お客さん入れたいから、大体。よっぽど大ホールで、よっぽどピンスポをやってる人の隣とかに場所があるなら別だけど、そうでもない限り、大体ゲネを客席で撮ってって言われる。そうするとポジションも自由にとれるからね。

 ゲネっていうのがね、そもそもね。ゲネ、ゲネラルプルーブ?

小林:そういう略なんですか?なんかドイツ語?

伴:確かドイツ語…ゲネラル、ゲゼルシャフトみたいな。ジェネラルだっけ、総合なんとかみたいな。略してゲネって言ってるらしいんだけど。ゲネっていうのは衣装とか全部着て、本当に本番に準じた、本番と同じことをやるリハーサルっていう扱いなんで。身内入れたりね、メディアの人を入れてゲネ見せたりとか、本番と同じようにやる感じ。

 海優ちゃんがお話ししたのは、ゲネのもう一個前にゲネ的なね。本当の通し稽古の前に、小屋入りっていって、劇場なりコンサート会場なりに入る前に、リハーサル会場でタイム測りながら、ここからここでって、舞台のここ移動してまーす、その風にやりまーすっていうことをやりながら、タイムを測っていくっていうことだよね。

小林:そうですそうです。

伴:なるほど。そこでヤバい時もある。

小林:ヤバい時もありますね。でも結局そこで間に合ってても、劇場入ったら動線が違うわけですよ。

伴:ね、それはもちろん。

小林:環境が違くなっちゃうんで、結局は劇場に入らないと正確な感じはわかんないよねみたいな。だから場当たりでもう一回やる、みたいな。

伴:それは現場に入って、劇場に入ってからやるのが場当たりっていうもんだよね。

小林:そうです。

伴:演劇とか歌とかも似たような用語使うんだけど、それ自体が特殊すぎて。俺、最初だいぶ戸惑ったのよ。

小林:でも音楽でもないですか?ないか。ありません? 立ち位置ですよ立ち位置。

伴:例えば、おじさんはおじさんだから、プリンセスプリンセスとかが…知ってる?プリプリ知ってる?懐メロとかで出る曲でね…

小林:はい、知ってます。

伴:海優ちゃんは僕の年齢の半分くらいなので…

 僕も昭和53年生まれなんですけど、プリプリってちょっと懐かしい感じなの。リアルタイムじゃない、あんまり。だけどそういう人たち、例えばギャルバンドとかで、フリとかが決まってるやつの場合は、流石に衣装も決まるだろうし、照明とかもあるだろうけど、ロックバンドとかの場合はあんまりないよね。

小林:ベースが右にいようが左にいようがどっちでもいいってことですか?

伴:うん、気分。

小林:そうなんですか。なんとなく決まってるのかなと思ってました。

伴:ヴィジュアルバンドとかだったら決めちゃうかもしれない。

小林:キーボードの人の位置、みたいな。

伴:演出性の高さによって変えていくっていうか、舞台監督ない場合も結構ある、らしいよ。

小林:ヴィジュアル系?

伴:ロックバンド。普通のロックバンドの場合は、大きなコンサートやってても、舞台監督っていう人は…照明とかなんとかでいるかもしれないけど、なんだろうね…

小林:大きなところでやってても、いないんですか?

伴:KISSがデトロイトロックシティで、デーデデーデデーデデデデ、ドッパーンでパイロとかが出るとか、AC/DCがホールロッタロージーやる時に、最後に後ろの方で空気の入ったロージーっていうおばちゃんがボコボコって空気でデカくなるとか、そういう演出がある時は舞台監督がいないと。パイロテクニクスで火をドッパーンてやる人とかに指示を出す人がいるから。
 でもそれって演出があるから必要が出てくるわけで、そうでもない限り…例えば中堅どころくらいのライブハウスなんかの場合は、照明監督を照明さん自身が、この曲こういう感じだからこういう照明でいこうって勝手にやってる。もう一個上のディレクター的な人がいないっていうのが、結構多い。

小林:そうなんですね。

伴:ツアーとか組むと、ツアーの総監督がいないと管理責任者がいないから、そういう人が出てくるんだけど、そういうのを請け負う会社とかも出てくるんだけど、小規模だとあんまりない。
 ツアー、全国ツアーやったりドームツアーとかやってるバンドになると、曲によって、ちゃんと凝った演出とか作って…あとはダンスとか演劇的な要素が増えれば増えるほど、そういう人が増えて、そうなると衣装さんもやっぱり数が増えてくるんだね、手がいっぱいいっぱいだから。

小林:そうですね。

伴:衣装もツアーのために作りましょうとかってなってくるっていうのは。

小林:はい。

伴:ロックバンドの場合は、Tシャツ、Gパンなので…

小林:そしたらスタイリストつくんじゃないですか?

伴:意外とついてないと思う。ヘアメイクさんがいるかどうかくらい…なんていうんだろ、いらないっていう場合は。

小林:着替えとかないですもんね。

伴:今、いいポイントだなって思ったのは、テレビに出てる人たちって、ラフな格好をしてる風だけど、実はスタイリストさんがついてて、スタイリストさんが何してるかっていうと服を借りて着せる人だよね。

小林:そうですね。借りてくるなり、買ってくるなり…

伴:持ち込みもあるけど。

小林:イメージなかったら作ったり。

伴:この人はこういうキャラクターだからっていって、その人にあった服のひと揃いを、組み合わせを作ってあげて、着せる人。スタイリストさんて衣装さんに一応入るのかな…。

小林:入る…

伴:部門ではある?

小林:入るっちゃ入る気がしますね。肩書きをどうするか…

伴:業界内ではね。

小林:そうですね。

伴:我々世間一般の人間が見てると、スタイリストさんっていうのと衣装さんていって、両方服の話でしょってなるんだけど、衣装さんっていうのは舞台的なニュアンスが強いよね、テレビとか。演出に関わっているところをやっているのが衣装さんで、スタイリストさんって例えばインタビューとか演出ゼロのところでも全然出てくるし、スタイリング自体が華があるわけじゃん、あれって。

小林:そうですね。

伴:美味しい仕事じゃん、結構。よくフードコーディネーターの人がいて、フードスタイリストとかっていうんだけど、食べ物とカトラリーを、お皿とかフォークとかっていうのを…料理作る人、それをいい感じに見えるようにスタイリングする人、それを撮る人、それを撮れっていうディレクターの人とかっていろんな人が関わるんだけど、カメラマンよりもスタイリングをしていい感じの食卓を作れる人の方が、ギャラが良かったりするんだよ。

小林:作業量の違いとか、ですよね。

伴:だと思う。というか作業量はそんなに変わらないと思うんだけど、どっちの仕事の方が希少かっていうことだよね、たぶん。カメラマンは替えがきくけど、スタイリストはこの人じゃなないとってなったら、そっちの方がギャラが当然あがるから…カメラマン的には嬉しくないんだけどね。

 どこの仕事も希少性とお金の…ギャラのね、金額はイコールだから。イコールでもなかったりするか、今。希少でその人が辞めると困る職人なのに、ギャラが安いみたいなのはよくあるから、今は。そこは自分のギャラを支配してる奴を捕まえて、ゆっさゆさ…オラオラってやるとポケットからチャリーンって…そういう意味で、若い子やらないからね。辞めるよ、いいの辞めちゃうよ?いいの?いいの? 辞めちゃうよって、チクチクチクチクやるの。

小林:出来ないですよ。

伴:不思議だけど、俺も若い頃はいい人だったらか出来なかった。

小林:いい人だったんですか。

伴:可愛い子だった。僕みんな大好きって、みんなに可愛らがれる子だった

小林:本当ですか?

伴:俺、生まれ末っ子で、親戚の中でも一番ちっちゃい一番下で、とにかく可愛がられて育ったよ

小林:そうですか。

伴:甘やかされに甘やかされて育った。

小林:本当に。

伴:でも大人になると見てるおじさんたちが、ランバ・ラル少佐? 大佐? ガンダムに出てくる…

小林:いや、わかんなっ

伴:ハモンさんって素敵な恋人がいる…あれは愛人なのかどうかって説がいろいろある…グフの人。

小林:え、わかんないです私もう。

伴:ビシって鞭打って、アムロ…ガンダムを掴んでバリバリバリっていう人なんだけど。

 ごめんごめん。その人が、こども向けのアニメなんだよ。劇中で、ランバ・ラルが出世すると部下のためになるんで、みたいなこと言うのよ。おじさんになってみるとランバ・ラルって実は若いらしいんだよね、髭のすごいむさいおっさんなの、軍人で。だけど意外と若いらしいんだけど、自分がおっさんになってみると、自分に連なってる部下とか家族とかのために、僕が仕事相手にゆっさゆさやって取り分を増やすと、自分に連なってる人間にお金がいくわけよ、結果的にね。トリクルダウンが成功すれば。

 それをやらないと、お父さんが頑張ってオラオラってやらないと、もちろん合法的にね、やらないと子供にいい服着せてやれないとか、嫁さんにグッチの靴が買ってやれないとか、ていうのが多いのよ。

 おじさんになると、そこが脳裏にチラチラ…君が部下だったら君の稼ぎは俺がどっかで稼いで来ないといけないから…

小林:ん? 君が僕だったら?

伴:部下だったらね。海優ちゃんがね、もし僕の部下だったら、君の給料は僕が稼いできてそこからどうぞって分けるわけでしょ。てことは収入がないといけない。収入はよそと戦って獲ってこないといけないから。もしも上のね、どっかから請負ってるっていうのだったら、そこをゆっさゆっさやって…やりすぎると首切られるんで…

 みなさん、お仕事の中で、それぞれお仕事の…僕、職人体質なんで、仕事のお金のやり取りとか人のやり取り、一切本当は興味がないの。好きでもないの、全然。商売っ気、全然ないんだけど、ひたすら写真を撮ってたいの。

 職人て面白いもんで、純粋に写真をなんでもいいから撮ってればいいわけじゃなくて、仕様があって…衣装もそうじゃない?

小林:仕様?

伴:こういうのが欲しい、このクオリティで欲しい、この予算でやって欲しい、そのテイストとして海優ちゃんにやってほしいっていうのが、職人の夢で、ある意味。

小林:職人の夢…

伴:アーティストさんの場合は、自分で予算とってきて、私のアートとしてこれが見せたい、衣装そのものを見せたいってなると、たぶんアーティストさんなんだと思う。

小林:そうですね。

伴:どっち? 職人側なのか、どっちかっていうと。

小林:いや、どっちも…

伴:楽しいよね。

小林:どっちもですね。私、元々デザインしたくないと思ってた側なんですよ。ひたすら縫ってたいと思ってた側だから。

伴:お針子さんタイプ。多いよね。

小林:と思ってたら意外と、自分で思ってることを形にして出すのも楽しいぞって思っちゃって、今は。

伴:おじさんには全く理解できない世界。服に対して何か思うって、まったくわかんない。あるんだね、そういうのが。

小林:ありますあります。でも誰もやってないような感じのものを作ってみたいなっていうのは思ってますかね、常に。それはアーティスト側の…

伴:アイデアを直接見せたいっていうのだから…

小林:だから別に、お金儲けのためにとかそういうの関係なしに…

伴:儲かんなきゃダメよ!

小林:アーティストだから、まずそういうのをやってみたいな、だから自分でいいじゃないですか。予算設定して。いいわけですよ、好きなようにしていいから…

伴:そうね。トータルで儲ければね。

小林:そうです。そういうのもやりたいって思ってるし…需要と供給のことも考えますよ、違う側だと。職人側か。

伴:求められたいよね、職人として。

小林:職人側だと、さっき…カメラ回ってない時に話したやつ…油の話。水に油浮かべてて…

伴:すごい端折ってるからまったくわかんないと思うんだけど…

 衣装さんもいろんな衣装さんの業界の中でもいろんな職種があって、それぞれのコロニーが繋がってないっていう…話ね。

小林:そうです。

伴:歌系の人と、ほんとにガチの舞台、お芝居の人たちとみたいな、テレビとかってね。

小林:あとミュージカルとみたいな。

伴:そうそう、ミュージカルね。全然別だもんね。

小林:それがあるじゃないですか、衣装…ファションとか服の方になっちゃうのかもしれないんですけど、今興味があるのはCAさんの制服とか。

伴:キャビンアテンダント? でかい仕事だぞ、あれは。

小林:そうです。とか、あとはコンセプトカフェの制服とか。

伴:コンセプトカフェって何?カフェにコンセプトがあるの?

小林:わかりやすくいったら、メイドカフェ。

伴:わかりやすい。

小林:はい。

伴:ムキムキマッチョがいるとか…

小林:えっ?

伴:ミニスカートの子がローラースケートを履いてる、とか…

小林:あ、フーターズ的な?

伴:フーターズまだあるんだっけ、日本?

小林:ありますよ、新宿にありますよ。

伴:新宿にあるの?

小林:あと渋谷にもありますよ。

伴:六本木かどっかにも前なかったっけ。

小林:六本木…

伴:大体、ああいう浮ついたやつは六本木にありそうってイメージで言ってるだけで…あるんだ。

小林:ありますあります、ちょーありますよ。私、一回行ってみたいんですけど…全然いけない…

伴:今度行こう。

小林:連れてってくれるんですか?

伴:行く行く。あと2,3人適当に行こう。

小林:なにするところなんですか?あれ。

伴:基本的にお酒飲むところじゃないの?

小林:なんでミニ…違うな、ショーパンで…

伴:だっけ、ミニスカートじゃないんだ。

小林:めちゃめちゃピチピチのタンクトップを着た…

伴:へそ見えてるくらいの…

小林:お姉さんが、ローラースケートを履いて…で、どうしてるんですか? それを楽しみに行くんですか?

伴:見るのが楽しいんでしょ? たぶん。ちょっと見てみたいよね。

小林:ちょっと見てみたいんですよ。すごいですよね、ローラースケート履いて料理運ぶのって結構…

伴:そこ? 蕎麦屋の出前的なそぶり…

小林:蕎麦…

伴:さっきさ、舞台裏で、着替えでここの出ハケがって言ってたでしょ。俺のイメージで途中、蕎麦屋の出前が邪魔しに来るイメージ…

小林:どういうこと…

伴:例えば、役者とかアイドルとかがさ、ああ、あそこの演出上あの場所に行かなきゃいけない、上から下とかっていう時に、すーっと俺の脳内では、蕎麦屋の出前が邪魔をしにきて、がーんてぶつかってがっしゃーんてね、ざる蕎麦がぶちまけるイメージ…

小林:急に、急に舞台袖に蕎麦屋の出前が来るんですか? ちょー迷惑じゃん。

伴:そうそう、そうすると時間に間に合わないのかなって、頭の中で…蕎麦屋の出前の話に…俺がしたんだけど。そういう職人芸的な部分…蕎麦屋のおじさんに聞いてみたいよね。どうやってるんだろう、あれ。どれくらい耐えるのっていうね…

小林:確かに。ウーバーイーツも気になりますよ、私。

伴:なにが?

小林:ウーバーイーツ。

伴:チャリンコに乗ってDJみたいな後ろに…DJがレコード入れてそうな箱に。

小林:ボックス抱えて…あれなんで、チャリこいてるわけじゃないですか、あれで。なんで溢れないんだろう…不思議じゃないですか?

伴:わかんない。どれくらいの汁物までOKなのかわかんない…

小林:私、バイト先がウーバーイーツやってて。汁物なんですよ。

伴:出す側? スープとか出してんの?

小林:そう、出す側。ウーバーイーツ出して…

伴:タップンタップンのまま渡す?

小林:そうそう。タッパーに…

伴:タッパーなんだ。

小林:パッチンてなるやつ。カッチャンてちゃんとロックされるやつに入れてて、プラの。それに入れて、ナイロン袋…お店の…

伴:保温? ナイロン? ビニール袋?

小林:あ、そうです。ビニール袋をきゅっと縛ってお願いしますって渡すんですけど。溢れないのかなって思いながら…

伴:パッキンをパッキン…て、駄酒落になってしまうんだけど…パッキンをがちゃんてしてれば大丈夫なんじゃないの?

小林:大丈夫だと思うんですけど…

伴:そんな揺れる?

小林:でもチャリですよ?

伴:チャリっていったって…あれはただの箱なのかな?背負ってる…なんていうの、山の人みたいなやつ。

小林:わかんないですけど、ちゃんとこうなるんですかね? 圧縮みたいな…

伴:圧縮しても質量は保存されるから、ウーバーイーツのあんちゃんは楽にはならないと思うけど…

小林:そっか。

伴:蕎麦屋だとさ、上にスプリングのついた…すぐ近くに蕎麦屋があるんだよ。裏に出前用のカブがあって、スーパーカブ。あれスプリングだよね。ウーバーイーツの箱の中がどうなってるのか。実はまわりが真空でサーモスみたいになってるとかさ、わかんないね、あれね…

小林:ちょっと気になるんですよね。

伴:ウーバーとか

 インタビューは次回、2/3に続きます。

 

 


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